わたしのオンラインメモ帳

自分用のメモ帳です。 ゲームの進行度、感想、情報整理、気になったこと等をメモするのが好きなので娯楽でやっています。正確性を確認をせずメモをすることも多いので間違っていたらごめんなさい。責任は取れません。議論するつもりはないので交流機能は一切使いません。自己完結型のオンラインメモ帳です。

2022年01月

運営がまともになってから、ピックアップの回転速度が速くなったのは嬉しい。

高すぎる天井でそこまでハマったら引退ものなので、あくまで目安だが、900石は持っておきたい。

現在、1280石、符16枚なので、期待値どおりに出れば、900石は余る。

既存で欲しいキャラが、戦力面も考慮するとイシュタルのみ。

見た目だけで欲しいのが、キアラ、頼光、アストルフォ剣。

Q環境補助キャラが来たとき用と、環境アタッカーが来たとき用に、レア5の3キャラ分の石は温存したいという意味でも、900石以上は残って欲しい。

礼装は残念ながら型落ちもいいところなので、礼装のピックアップはない方が良かった。

すり抜けで出て欲しいキャラはアルトリアくらいで、アルトリアですら使うことはないのでハズレ。

礼装はカレスコが1枚まで、黒聖杯は複数出て欲しいが、他はすべてハズレ。

イシュタルが早く出てすぐにでも撤退したい。




メモしながら引いていく。

気安めにフレンドガチャ、120連目くらいでビリーザキッドが出たのでスタート。


11連目まで・・・(1回転目から金弓サーバントからのエミヤ...)

16連目でイシュタル

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終了。

マジで助かる。

ありがとう...


スペースイシュタルメインで、変則のときには対剣以外にはメリュジーヌを使っている。

メリュジーヌが唯一処理できない対剣で使えるので、イシュタルは戦力としても使いたい。

できれば宝具2にしたいが、福袋かもっと石が貯まってから狙いたい。

普段スペースイシュタルを使いすぎて、凛がむちゃくちゃ好きになっているので、その点でもイシュタルは嬉しい。

欲張って頼光がピックアップで来たときに引きたいな...

それよりも前にQ環境キャラが実装されれば、石の残り具合で引くかどうか決めらるので、Q環境キャラが先に来てほしいが、次の周年での実装が本命かな...



レア5を並べて遊ぶのに、弓枠だけおっさんしかいなかったせいで空白になっていた。

ようやく可愛いキャラ埋めができるようになった。

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【評価】

『青列車の秘密』

・総合    ★★★★☆☆(結末を除けば完璧)
・展開パート ★★★★★★(淀みなく美しい)
・結末・オチ ★☆☆☆☆☆(アンフェアオチ&胸糞恋愛描写の二重奏で締め)
・没入感   ★★★★★☆(引き強め)
・登場人物  ★★★★★★(良い登場人物多め) 

※ 一言で表すなら、<オチのせいで代表作になり損ねた惜しい作品>、<結末以外のデキは神>。
※ オチを除くストーリーラインの美しさは随一。過不足がなく、各場面の見栄えが良い。
※ オチがアンフェアで爽快感が皆無、定番の締めの恋愛要素も胸糞と、読後感は悪かった。ラスト30ページくらいまでのデキが良すぎただけに、非常に残念。
※ 展開パートの質は、『アクロイド』か『青列車』かという感じだが、『青列車』の結末パートの仕掛けと味付けは、(『ビッグ4』を除き)いままで読んだ中だと一番悪い。
※ おそらく翻訳が無茶苦茶上手く、そのおかげで読みやすく魅力度が増している気がする。

※ 登場人物や場面設定が、いつもよりもさらにくっきりしている印象を受けた。
※ 美しい情景描写や、洗練された気の利いた台詞や痺れる台詞も多い。
※ キャラ性が立っていて、好感度高めの登場人物が他作品よりも圧倒的に多い。 今回のポアロは終始キレあり、ちゃんと名探偵をやっているのもポイントが高い。登場人物の評価は、2次元キャラ込みの評価なら★5だが、3次元風のキャラ設定だけで考えると、これ以上いい登場人物を詰め込むのは無理そうなので、★6にした。


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【評価概要】

評価項目は、

・総合   (すべてを考慮した満足度)
・展開パート(結末までのストーリー)
・結末・オチ(納得性、意外性、読後感)
・没入感  (引き、読み心地)
・登場人物 (魅力)

とくに重視するのは、展開パートと結末のデキ。

表現の美しさ、舞台設定の良さ、性癖に刺さる何か、強烈に心に残るシーンがあるかどうかなど、特筆すべきものがあれば、総合評価に反映。


評価の点数は6段階で、★~★★★★★★+

★★★★★★  大絶賛
★★★★★   かなり好き
★★★★    好意的
★★★     好きでも嫌いでもない
★★      好みでない~嫌い
★       絶望的に嫌い

★★★★★★+  数々の作品の中でもトップクラスに好み

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※ ネタバレが含まれす

【感想】

前作の『ビッグ4』は、著者の作家生命をおびやかしかねない酷い出来だった。

当時も読者に反感を買ったのか、『青列車の秘密』では読者に舐められないような表現豊かで重厚な描写でスタートした。

『ビッグ4』がトラウマ過ぎて、どうかあんな酷い内容ではありませんようにと、祈りながら読み始めることになった。

50ページほど読み進めると不安は完全になくなった。

求めていたストーリー展開と文章表現があった。


本作の一番の魅力は、オチを除いたストーリーラインの美しさ。

過不足がなく、各パートの登場人物のやり取りや完成度は非常に高い。

本作は魅力的な登場人物の数が、他作品よりも圧倒的に多い。

『葬儀を終えて』でも大好きだったゴービー氏を筆頭に、
ヴァン・オールディン、ミス・グレー、パポポラス、ジア、レノックス、ナイトン
と、キャラ性がはっきりしていて、好感が持てるキャラが多い。

(普段は、遺産殺人がほとんどなので、遺産目当ての人間性を失った者が結構な割合を占めているので、胸糞な登場人物が多めになっているが、本作は少ない。)

語り手のヴァン・オールディンの好感度も非常に高く、出だしは最高。

ヴァン・オールディンは、やり手の男でありながら丁寧な態度と口調で、魅力を感じる。娘を守るために娘の秘密を追求した時の冷静な態度と用意周到な知的さも良い。

アガサクリスティ作品なので、本作でも胸糞な人物が複数登場するが、キャラクター性が他の作品よりもくっきりしていて魅力的な人物も多い。

ポアロが登場するのが125ページと遅めだが、あまり気にならないくらいには良いストーリー展開だった。

441ページ中、413ページまでの完成度はきわめて高かった。

オチの数十ページのデキはかなり残念だった。

最後に富豪と列車に乗り込んだシーンもなにがやりたかったのか意図が不明だった。

オチを開示されたときに、<騙された!>と思えるようなオチではまったくなかった。

かなりの終盤で変装の名人云々という流れが突然出てきて、さらには複数犯という、推理しながら読まない人間からしても<それはダメだろ!>となってしまう、納得性の低いアンフェアなオチだった。

変装で複数の人が騙されて証言が狂うというのはかなり嫌いな仕掛け。

変装をメインのオチにはせず、サブのオチにして、メインの方のオチがしっかりしているのならいいのだが、アンフェアな変装をオチの核にされると爽快感が皆無になる。

『葬儀を終えて』の場合は、変装相手が最後に顔を合わせたのが20年程度前?という設定だったので見間違えるのは良いが、『青列車』の方は、女優で変装名人という設定でご都合主義観が強く、納得性を下げている。

さらに悪質なのは、伯爵の方も、オールディンが見覚えがあるはずなのに、四六時中一緒にいて変装を見抜けていないという、変装を万能なものとして扱いすぎ。

女の方の変装だけでも、"変装オチかあ..." と嫌気が差しているのに、W変装オチまでやられると怒りがこみ上げてくる。オチの造りが極めて適当で雑。

現代でたまにみかける、実際に目に入っていたけれど観測者が無意識に記憶から排除していたから云々というトリック並みに嫌い。

ポアロが積極的に犯人をミスリードをする発言を繰り返していたのも、印象が悪い。

『アクロイド』の件がいい効果を生み出していて、相棒に対して半信半疑のまま読み進めなければいけないのも、緊張感があって良かった。

気の利いた痺れる台詞も多く、美しい情景描写も多かった。

毎回、ラストで無理やり絡めてくる恋愛描写があったが、その内容はとくに白々しく、嫌悪感を感じるものだった。

連続殺人犯が真の恋に落ちた的な描写も白々しいし、定番の遺産で遊びほうけるクズ男とヒロインをくっつけて終わるという胸糞展開も怠い。

時間共有の短い関係で、真の恋云々と言い出されると、凄まじい反発心が生まれる。

現代の感覚だと、どちらともくっつけないというのがベストだが、アガサクリスティ作品はクズ男とのカップリングエンドが非常に多い...

トリックがもう少しフェアな仕掛けで、締めの胸糞恋愛描写がなければ、個人的には『そして誰もいなくなった』よりも評価が高かったので、残念。

全文量の9割5分が素晴らしいデキなのに、それを台無しにするほど結末パートは酷かった。

展開パートが『アクロイド』か『青列車』で、結末パートが『葬儀を終えて』、締めの恋愛描写は胸糞要素のない別作品、という完全無欠の作品に出会ってみたい...

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ポアロシリーズの評価

(満足度がきわめて高かった作品)

1,『葬儀を終えて』
2,『アクロイド』

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(満足度が高めだった作品)
『そして誰もいなくなった』

(概ね満足した作品)
『スタイルズ荘』

(過不足を感じた作品)
『邪悪の家』『青列車』

(満足度が低かった作品)
『ゴルフ場』

(激怒した作品)
『ビッグ4』


『ABC』は評価を意識して読まなかったので、別訳バージョンを再読して分類し直す。

【評価】

『ビッグ4』

・総合    ★☆☆☆☆☆(極めて酷い作品)
・展開パート ★☆☆☆☆☆(恐ろしいまでの雑さ)
・結末・オチ ★☆☆☆☆☆(オチと言えないオチ)
・没入感   ★★☆☆☆☆(かなり弱い)
・登場人物  ★★☆☆☆☆(精彩を欠く)

※ 読む価値は一切ないので、極力読まない方がいい。本書を一言でいい表すと、”ファンですら擁護できない救いようのない駄作”。"アガサクリスティの作品にしては..."とかではなく、すべての出版物のなかでも間違いなく最低ランクの駄作に分類される。

※ 文豪の前代未聞のスランプ作品を読んでみたい! という人以外には一切おすすめできない。

※ メインテーマの設定に対して、期待を大きく下回るストーリー展開をされる。

※ 犯行のトリックや登場人物の人間関係を描いた従来の内容ではなく、謎の人物を追って、浅はかで雑な殺人事件と超適当な誘拐事件に何度も巻き込まれるという内容が大半を占める。

※ 277ページからようやく盛り上がるような描写が増えたが、オチに向かって酷い描写に戻り、オチ無し! といえる酷い締めくくり方をされる。最初から最後までどうしようもない作品。


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【評価概要】

評価項目は、

・総合   (すべてを考慮した満足度)
・展開パート(結末までのストーリー)
・結末・オチ(納得性、意外性、読後感)
・没入感  (引き、読み心地)
・登場人物 (魅力)

とくに重視するのは、展開パートと結末のデキ。

表現の美しさ、舞台設定の良さ、性癖に刺さる何か、強烈に心に残るシーンがあるかどうかなど、特筆すべきものがあれば、総合評価に反映。


評価の点数は6段階で、★~★★★★★★+

★★★★★★  大絶賛
★★★★★   かなり好き
★★★★    好意的
★★★     好きでも嫌いでもない
★★      好みでない~嫌い
★       絶望的に嫌い

★★★★★★+  数々の作品の中でもトップクラスに好み

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※ 適度に言葉を濁したネタバレが含まれることがあります

【感想】

総評からメモすると、設定されたメインテーマがうまく処理されない上に、細部の処理も非常に雑で臨場感や魅力が皆無で、まともなオチも用意されていない。文豪の前代未聞の駄作。

遺産金!遺産金! の連打だったので、がらっと毛色を変えてみるか!! と試みて大失敗した感じか??

とはいえ、アガサクリスティの描写力と知力なら、別のテーマにしたところでここまで無残な内容になるとは思えない。

アガサクリスティ本人が書いたといわれるよりも、小中学生に ”俺の作品をお前の名義で出版しろ!” と脅迫されて出版された作品と言われた方が、よほど説得力がある。

アガサクリスティが著者でなければ、本として出版されることはあり得ない酷い出来栄え。

アガサクリスティ作品のなかで酷い出来というのはもちろん、すべての小説全体でも駄作に分類される。



世界トップクラスの人物が絡んでいるという大げさな設定から始まり、一瞬おもしろくなるのではと期待させられたが、内容がまったく伴わなかった。

周到な行動で鮮やかな殺しの技術を見せつけたと思えば、ポアロとヘイスティングズを余裕で始末できるような状況になりながら、何度も失敗する。

周囲の人間は不意打ちをしてあっさりと殺していくのに、敵対している厄介な存在でありながらあっさりと始末できるポアロを処理しない正当な理由がまったく思い当たらない。

ナンバー・フォーの正体を知ったから狙われるという流れだったが、普段から殺しまくっているような人物なので、自分のことを探っていると知った段階で予防措置として殺すのが妥当。

ポアロはいつもの住居から移ることもなく、身を隠すことすらしておらず、夜襲でもかければ済む。

さらにいうなら、自らの手を汚さず、財力に任せて、複数人の暗殺者を雇って殺させる方が自然だろう。

”ビッグ4” という世界を牛耳る組織と銘を打たれているのに、あまりの実行力のなさと手際の悪さに、”ビッグ4” という組織が陳腐で間抜けな組織にしか思えない。

ご都合主義的展開が多く、設定が雑すぎるため、納得性のないバランスを欠く展開が多い。


仕掛けに上手く肉付きがされた滑らかな作品と真逆で、一切作りこまれていない設定と展開ばかりで、記号めいた展開ばかりで雑で角ばった印象を強く受ける。

一本道で深みのない展開で無理やりゴールに向かわされる出来損ないのRPGのシナリオや、アニメ化が終了して惰性で続いている雑に書かれたラノベと、印象が似ている。


ポアロが吹き矢で脅すところでは興ざめもいいところだった。

チェスの殺害方法なども雑で納得性も面白味も皆無。

ポアロもので暴力に出た犯人に対して、暴力で打ち勝つというような展開は、解釈違いもいいところ。

しかも誘拐されたシーンでは、真に迫るような描写が一切なく、弛緩した緊張感のない雑なやりとりで処理されていく。

全体的に話が深まっていかず、ずっと浮ついたまま場面が展開していく。

ストーリー本筋に魅力がないのに加え、ポアロとヘイスティングズのかけあいも他作品と比べると弱く、すべてがボロボロ。

『ビッグ4』のピークは、南米へ移住したヘイスティングズのあとを追って、そこに定住するつもりだとポアロがいったところだろう...(超序盤)

終盤(277ページくらい)で一瞬息を吹き返したような鮮明度の高い記述が増えたが、オチに向かうにつれ雲行きが怪しくなり、オチとは認められないオチを与えられて終了。

最後にポアロが、今回の一連のぐだぐだ騒ぎを ”わたしの生涯の最大の事件” と評したときには、悲しくなった。

いつか多少の巻き返しはあるだろうと期待して読み進めたが、一切巻き返しは無かった。

去年50冊読んだが、そのなかにいれたとしたら、下から1,2のクオリティの低さだった。

『銀河鉄道の夜』は相当酷かったが、それに並ぶような著者の名声を傷つける問題作。



追記)

これから時系列順にほかの作品を読むが、『ビッグ4』のようなゴミが今後も出くわすのか心配になった。以前、裏表紙の内容紹介を見て本編の良さを損なわれたことがあるので、購入した本に関しては内容紹介、目次、レビューを一切見ないようにしている。『ビッグ4』は読み終えて問題なくなったので、Amazonレビューや検索上位の評価を調べてみた。

Amazonレビューでは、『ビッグ4』はアガサクリスティのなかでは例外的な駄作との評が多かった。他には、アガサクリスティファンを煽るためにわざと手放しで褒めそやしているレビューも散見された。Amazonではステマ対策をはじめたとのことだったが、『ビッグ4』の評価が☆4とあきらかにおかしな数値になっていた。

検索上位のサイトでの評価は、アフィリエイト広告を出しているためか、『ビッグ4』の評価がほんの少し下げられている程度に収めている人が多かった。がっかりした。むしろ『ビッグ4』の評価を正当なものにして、このレビュー主は信憑性があるから、他の評価も正当なものになっているという信頼感につながた方が得策のはず。信頼できる人が高く評価をしている作品は面白いはずだから買ってみよう! となる。逆に、『ビッグ4』を高く評価しているサイトがあれば、ちゃんと読まずにレビューしているのがバレバレなので、他のレビューの信憑性まで皆無になり、サイト全体に悪影響が出る。




『スタイルズ荘』や『ゴルフ場』では、複数人の思惑を絡ませすぎて犯行状況がアンフェアに複雑化していたが、そちらの方が随分マシだった。

(『スタイルズ荘』は犯行状況をこねくりまわしすぎてはいるものの、他の要素はよかった。『ゴルフ場』は犯行状況をこねくりまわしすぎていて、他の要素もいまいちだった。)

『ビッグ4』はとにかく雑。メインストーリーも細部のやりとりも。

これがあの圧倒的な完成度の『アクロイド』の次に書かれたとは到底思えなかった。

ポアロシリーズの4作目になっているが、実は時系列順に並べただけで、書かれた時期は違うのでは?? と思い、調べてみた。

残念ながら、『アクロイド』が1926年に刊行され、『ビッグ4』は1927年に刊行されていた。

現在、『そして誰もいなくなった』『ABC』『アクロイド』『葬儀を終えて』『邪悪の家』『スタイルズ荘』『ゴルフ場』『ビッグ4』を読んだが、『ビッグ4』の出来は飛びぬけて悪い。

『邪悪の家』と『ゴルフ場』を読むと、”なんか違うんだよなあ...” という感想を抱いたが、

『ビッグ4』を読むと、”全部が違うんだよなあ...”という感想を抱いた。




翻訳が気になるところがちらほらあった。

とくに、”秩序とメソッド” というのは語感が悪くて嫌だった。

前に見たものは、”順序と方法” というような訳だったと思う。

※他作品で見かけたら追記

追記)

『邪悪の家』のはずだが、そこでは、”順序と方式” となっていた。


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ポアロシリーズの評価

(満足度がきわめて高かった作品)

1,『葬儀を終えて』
2,『アクロイド』

---------------

(満足度が高めだった作品)
『そして誰もいなくなった』『ABC』

(概ね満足した作品)
『スタイルズ荘』

(過不足を感じた作品)
『邪悪の家』

(満足度が低かった作品)
『ゴルフ場』

(激怒した作品)
『ビッグ4』

【評価】

『ゴルフ場殺人事件』

・総合    ★★★☆☆☆(粗が目立った)
・展開パート ★★★☆☆☆(注意散漫になる)
・結末・オチ ★★☆☆☆☆(複雑化しすぎ)
・没入感   ★★★★☆☆(文章は読みやすい)
・登場人物  ★★★★☆☆(語り手の株価暴落)

※ 要素を詰め込み過ぎて、悪い形で複雑化してしまっている。

※ 2つほどとても効果的で快感のある良い仕掛けがあったが、複雑化しすぎた仕掛けが多すぎる。

※ 事件の締めくくり方がかなり雑だった。

※ いま何を最大の目的として奮闘しているのかを見失ってしまうときがある。要素が詰め込まれすぎていて注意散漫になってしまう傾向があった。

※ 嫌悪感はなかったのと、おもしろい部分もあったので、総合評価は3にしたが、読んだ時の気分では2をつけるかもしれない3という感じ。

※ ポアロ物で読み返したい作品はいくつもあるが、『ゴルフ場』を読み返したいとまったく思えないくらいには、自分には刺さらなかった。


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【評価概要】

評価項目は、

・総合   (すべてを考慮した満足度)
・展開パート(結末までのストーリー)
・結末・オチ(納得性、意外性、読後感)
・没入感  (引き、読み心地)
・登場人物 (魅力)

とくに重視するのは、展開パートと結末のデキ。

表現の美しさ、舞台設定の良さ、性癖に刺さる何か、強烈に心に残るシーンがあるかどうかなど、特筆すべきものがあれば、総合評価に反映。


評価の点数は6段階で、★~★★★★★★+

★★★★★★  大絶賛
★★★★★   かなり好き
★★★★    好意的
★★★     好きでも嫌いでもない
★★      好みでない~嫌い
★       絶望的に嫌い

★★★★★★+  数々の作品の中でもトップクラスに好み

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【感想】

※ ネタバレを含みます

読み終えてかなり複雑な心境になる本だった。

見どころもあれば、がっかりする場面も多い作品だった。

過去の事件に関わる人物の登場と、ストーカー風の手紙をよこした人物の露見くらいがピークだった。

この周辺は非常に良かった。

残念なことに、犯行の状況に複雑さを持たせる為に複数人の思惑を絡めるという手法が今回も使われたが、今回も少々過剰だった。

これは『スタイルズ荘』でも見られた問題。

最後に1つ2つのミスリードを指摘することで快感を得るというのはよい手法だが、4つも5つもミスリード要素を絡めて複雑化しすぎると、解決編で構造を説明されたときにアンフェアさが色濃くなり、うまく騙されたなーという快感が得られない。

人狼ゲームで、総プレイヤー7人、人狼1人、狂人3人のようなゲームバランスはどうかと思う。

今回の作品で一番の悪役の毒婦2人の処理描写がかなり雑で、勧善懲悪的なカタルシスを感じるように仕上げられてもいなかった。

今回の締めの恋愛要素は、『葬儀を終えて』のような胸糞ではないものの、2人をすんなりとくっつけるために、もう1人がご都合主義的に始末されたのもひっかかった。

終盤盛り上がっていくような雰囲気があったものの、個人的には335ページくらいがピークで、真相は快感を得られるようなものではなく、失速していった。

思惑が絡みすぎていて、一体何のために戦っているのかというのも不明瞭な空気になっているのも残念。




『スタイルズ荘』では、ヘイスティングズはおっちょこちょいで可愛かったが、『ゴルフ場』のヘイスティングズはいただけない。

色情狂のごとく、いろんな女が気になる尻軽さが目立ちすぎる。

『スタイルズ荘』でも2人の女性が気になり、『ゴルフ場』でも2人の女を気にしていた。

今回結婚する女性と出会ったことで、ヘイスティングズを見損なう要素が減りそうなので良かった...

現場を女に見せて証拠品を紛失、そのくせたいして反省をしないところは、不誠実な人物像になる。

しかも、ヘイスティングズが女のために証拠隠滅を図ったせいで、関係のない人物が死刑になりそうになっているときも、最後まで見殺しにしようとしていた。

これは登場人物の人間性を大きく傷つけるもので、かなり致命的だった。

このへんの取り扱いはもう少し慎重にしてほしかった。


『ゴルフ場』を読み終えると、ヘイスティングズの株価は大きく下がった。

もともとの好感度が100だったとすると、60くらいまで下がった。

逆にポアロの株価は、100から200か300くらいまで急上昇した。


『スタイルズ荘』、『ゴルフ場』と、絡ませる要素が多すぎて切れ味が鈍い印象が強く、しばらくもやもやした作品が続くのかと思いきや、次作が超絶名作の『アクロイド』。

このあいだに何があったんだ...



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(満足度がきわめて高かった作品)

1,『葬儀を終えて』
2,『アクロイド』

---------------
(満足度が高めだった作品)
『そして誰もいなくなった』『ABC』

(概ね満足した作品)
『スタイルズ荘』

(過不足を感じた作品)
『邪悪の家』

(満足度が低かった作品)
『ゴルフ場』

(激怒した作品)
いまのところなし

Amazonの配達の次の日に、ネットオフから本が届いた。

ネットオフは、発注後2日で発送、3日後に到着だった。

かなり早い。

しかも本の状態もとても良かった。

Amazonは、発注後1日で発送、2日後に到着だった。

これでポアロシリーズはすべて揃った。

ミス・老婆シリーズは読んだことがないので、読んでみて気に入ったら、『火曜クラブ』と『鏡は横にひび割れて』は買うと思う。

手を出し始めるときりがないので、探偵無しのものは、あと数冊気になるもの以外は買わない予定。



本屋で手持ち確認用。

『ゴルフ場』を現在読んでいて、別の本ケースに入れているので、並べるのを忘れた。

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ツタヤで追加購入して、現時点で気になっている本は揃った。

葬儀を終えては名作だったので、新訳版を再購入した。

どういうところの訳が変わったか気になるので、記憶が多少残っている時期に読むか、忘れた頃に読んでもう一度楽しむか迷う。

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