淫行教師編まではとても良かった。

戦闘システム、世界観、音楽、シナリオ等、ほぼ欠点が見当たらない。


淫行教師編までは世界観にまとまりがあって良かったのだが、その編が終わった途端怪しい空気が流れ出した。


淫行教師に関しては、当事者目線から断罪すべき対象を決め、悪人の最期にもある種の責任を持って処分しにいっているので納得性はあった。

淫行教師編が終わった後、いきなりこの能力を使って世界の人を助けようぜ!!と飛躍したのは個人的には好きではない。

なにより、裁くべき対象の選定があまりに適当で、責任感がない。

人の命を奪うくらいの私刑をするなら、せめて絶対に間違いの余地がないというくらい調査をしないと納得性が出ない。

冤罪を生む可能性が高すぎる。

有名人が悪事を働いていることは多いが、表に出ないところでより残虐なことはいくつも起きている。

それなのに、自分たちが有名になるために有名人を優先的にターゲットにして、適当な人物調査だけをしてリンチしようぜ!というのは安直感がある。

お前をリンチする!ソースはインターネット掲示板だ!!!というのは、さすがにひっかかる...

それだったら、身の周りの淫行教師くらいの事件を数個扱う感じの方が良かった気はする。


身近な事件に真剣に向かっていただけなのに、それが終わった途端に世界を救おう!!というのはちょっとついていけない。


若干シナリオの進み方に違和感を感じ始めたが、相変わらず他の構成要素は出来すぎというくらいに良いので、十分楽しめるとは思うが...

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追記)

杉田さんが仲間になるところまで進めた。

竜司が身の周りの事件を解決して、一気に自分の生活圏を越えた平和を求めだしたことには違和感はあるが、ゲームとしてはその方が良さそうだと思い直した。

心を盗むという設定は、廃人にしたり、悪人に罪を自白させて人生そのものを破壊する行為。

こういう絶大な力を手に入れて世直しをしたい場合は、普通に考えればデスノートのようなターゲットの選び方になる。

ところがペルソナでは大悪人を狙わず、中悪人くらいを狙うことになる。

ここが辻褄が合わないんじゃやないか?という違和感があったが、

ペルソナはパレスでの戦いがメインになるので、そのパルスが映えるような設定をしなくてはならない。

美術館という設定は、怪盗とニコイチみたいなものだし、そこに持っていくために中悪人の一流斎さんが選ばれたのも、ゲームの演出上は完全に納得した。

パレスは煌びやかな方が絶対にいいし、パレス重視で登場人物の思考のリアリティを多少犠牲にするくらいは仕方ない。


サブキャラの会話も丁寧に作られていて、サブキャラのデザインが飛びぬけて秀逸。

戦闘面もドラクエモンスターズ的な収集要素があって、戦い自体に楽しみがある。

敵も変な会話や台詞を投げかけてきて可愛げがある。

授業で雑学を教えてくれたり、ミニゲームまで用意されていたり。

センスのある方が、これでもかというほどメニューを用意してくれて、そのひとつひとつが丁寧に仕上げられている。

ゲームとしてはこれ以上のものは用意できないというくらい完璧な作品。

評判がこれでもかというほど良かっただけあって、見所だらけの作品だった。

各編のネタフリがあった段階で、その編がどういう終わり方をするのか、登場人物がどういう心理状態を辿っていくのかは容易に想像できるが、尋問されている主人公がどうなるかという大オチは想像できないというのも良い。


見た目が好みの敵が多数いるが、最終的にその子たちを実戦レベルで使えるまで鍛えられる裏強化みたいなのはあるのだろうか?

いまはその辺が一番気になる。