日常の世界が基盤で、しかも登場人物たちが学生(まず間違いなく恋愛要素が多少は関わる)が主軸となる設定が、自分の趣向に合うのかがきわめて疑わしい。

日常の世界が舞台となる場合、ストーリーに起伏をつけるために緊張感を出す必要がある。

それらに使われる常套手段があるのだが、それらが変に生々しく、高確率で不快にされるものが多い。

・恋愛関係
・家庭内暴力
・病気
・いじめ
・性暴力
・相続争い
・殺人

これらが主流になる。

(史実にある近代戦争が絡むものも、生々しい不快感を伴うので避けている。私は読書に、快感の一切ない苦しさは求めていない。)

どのテーマも話の主軸になると不快になるものばかり。

嫌な気分になりたくて本を読んでいるわけではない。

(恋愛関係だけは、筆者があまりに優れた味付けをしてくれるのなら例外はあるが...)


ミステリー小説の場合、殺人が主なテーマになるが、主人公が学生の場合は高確率で恋愛が絡んでくるし、人を殺すとなればそれなりの理由があるので、家庭内暴力・いじめ・性暴力・相続争いなども高確率で絡んでくる。

小説に緊張感はつきものではあるが、ただただ不快な緊張感は感じたくない。

ミステリー的な要素は好きではあるが、謎の仕掛け部分よりも、登場人物たちの所作が心地良いかどうかの方が、自分にとってはよほど重要になる。

日常の世界で緊張感を出すためには、上記の方法以外がなかなか難しいらしい。

そういう意味では、ファンタジー要素+ミステリー要素の作品なら、自分が嫌いなテーマで緊張感が出される可能性が下がるので、自分には合っているのかもしれないと思った。

アリバイ面が結構ガバガバだった気もするが、”折れた竜骨” の登場人物たちのやりとりとストーリー展開は、自分にはかなり心地よいものだった。

登場人物のやりとりに心地よさを覚えつつ、若干の謎要素があるものだと、”シュタインズゲート” が該当するような気がする。

”新世界より” も分類としてはそれにあたると思うが、ストーリー展開は無茶苦茶面白かったが、主人公は情が薄い感じがして好きになれなかった(同じ村の人間を惨殺されまくったのに、自分が納得したからという理由で、拷問中だった大罪人を勝手に死なせるところで嫌いになった)。


と、まぁ、おそらく自分の性癖は、登場人物のやりとりが自分にとって好ましいかどうか、というところにありそう。

思えば、Vtuberさんの放送でも、自分が好きな人同士が仲良くしゃべってるのが一番好きな放送内容だった。

そのへんに魅力を感じてしまう人間らしいので、そういう方面で評判がいい本を探すことにしよう。

読書会で、”登場人物同士のやりとりが尊い一冊” とかをやってもらえる日を心待ちにしていよう...