いじめを自慢していた方と同列に扱うのはあまりにも愚か。

どんな酷いネタだったのかチェックしてみると、問題にされる方がおかしいレベルの内容だった。

しかも23年前の話。

オリンピック精神に反するから、役職から外すというのは妥当だが、倫理観のない人間だ!! とまで批判されるような内容ではなかった。

いじめ問題と違い、ラーメンズさんがホロコーストを起こした当事者ではない。

やるよりはやらない方がいい内容というのは当然だが、そこまで叩かれるような内容ではない。

ラーメンズさんの配慮が足りなかったコントの悪質さは、いじめ自慢をしていた人の100万分の1を遥かに下回る程度の内容。

ホロコーストに関する揶揄としては、一番ソフトな部類と言っていい。


私が好きだったアメリカのドラマで、『アリー・マクビール』というドラマがあった。

調べてみると、1997年から2002年までの放送で、奇しくも1998年のラーメンズさんのコントの時期と重なっていた。

大昔に見たものなので、記憶が正確ではないかもしれないが、こういうシーンがあった。

(もしかするとフレンズの可能性もあるが、アリー・マクビールのはず...)

主人公アリーのデート相手の鼻息が荒く、デート中にどうしても笑ってしまう。

彼とのデートでは、”ホロコーストの話題でもずっとしていない限り耐えられない、ハハハ...” と、物笑いの種にしていた。

(フレンズでのシーンだったら申し訳ないが...)アリー・マクビールは、エミー賞やゴールデングラブ賞も受賞している。

ユダヤ問題に関しては、日本よりもよほど敏感であるはずのアメリカ合衆国のドラマで、このくらいの冗談は許されていた。

ラーメンズさんのコント作りと違い、アメリカドラマは何人ものアメリカ人が脚本に関わる。

アリー・マクビールでの表現は、個人の脚本家が行き過ぎた表現をしてしまったというようなものではなく、この程度の冗談ならアメリカ人の感覚として許容されるという共通認識があったのはあきらか。



ユダヤ人の人権団体としては、目に入ったらクレームを入れるのは当然だが、日本人までラーメンズさんを叩き出すのは無理がある。


20年前の日本(いまでも)の表現はどれほど酷かったか。

お笑い番組のコントではいじめを題材にした不謹慎な内容のものは溢れていたし、不愉快で笑えない内容のものも多かった。

日常系こどもアニメでもカツアゲやいじめが描写されるが、本編でそこまで批判する風潮もなかった。

反社会勢力を賛辞するような作品も多くみられた。

若い頃はヤンチャ(いじめ、暴力、恐喝脅迫、盗難、弱い人間だけを狙った卑劣な犯罪、その他重犯罪)してましたという人間を、面白い素人というカテゴリで、平気で公共の電波に乗せ続けている。

数年前には、拉致被害者に対して無神経だと思われる、”拉致る” というコミカルな表現が流行った。

テレビも世間も、倫理観の欠片もなかった。
(私にもないし、周りのほとんどの日本人もない)

そのなかで、ラーメンズさんのコントの軽口が、どれだけ悪質だというのだろうか。


現代の日本でも、チビ・ブス・ハゲと、他人を外見で個人攻撃をする風潮は根強く、身近な問題でも人権尊重は軽視され続けているし、移民はもちろん難民の受け入れにも大反対と、命にかかわるような人権問題でも、自分に関わらない問題なら見ないふりをする。

日本人はいまも昔も人権問題に関心を持っていない。

ウイグルの問題を真剣に考えて、何かの行動をはじめた日本人はどれだけいるだろうか?

コスト無しで勝手に解決されるならそれは望ましいが、中国と摩擦を起こすくらいなら、ウイグルの人権問題については黙っておいた方がいいと考える人がほとんどなのでは??

テレビで人権派を気取ったコメンテーターすら、中国に直接乗り込んで、反対の声を上げるようなことすらしていない。テレビで反対!  というだけの中身を伴わない間抜けなパフォーマンスだけ。

ミャンマーの軍事政権や香港問題に対して何か実際に行動をした人はいるのだろうか。

私が知る限り、身の周りにも著名人にも一人たりともいない。

ミャンマーの専門家は、ミャンマー軍事政権の歴代の指導者の名前を言える日本人はどれくらいいるのかと指摘されていた。日本人の人権への関心などその程度だと。

人権意識が異様に低い日本人が、ラーメンズさんのコント内容程度で、人権意識がどうのと批判するのは愚かにしか見えない。


ラーメンズさんのように20年前ではなく、ほんの数年前に、原爆のプリントしたTシャツを着ていたアイドルグループがいたし、ナチス親衛隊の軍服めいたものを着てパフォーマンスをしたアイドルグループが国内外に複数いたはず。

ラーメンズさんのコント内容を批判している人の中に、それらのアイドルグループのファンなんて当然いないでしょうね??




ジャックザリッパーという実在したと言われる連続殺人鬼は人気があって、FGOの人気キャラになっていたり、主人公の血縁者??がジャックザリッパーというアニメもあったり(クライムエッジ)、ミュージカルの題材になっている。

実際の殺人が絡むものを冗談にするのは許せない! という批判も難しいだろう。



程度によっては何十年前の話でも問題になるのは当然だし、ユダヤ人がクレームを入れるのは当然だが、ラーメンズさん程度の冗談で、日本人まで人権がどうのと批判をするのはさすがにやりすぎ。

どれだけ清く生きていたら、ラーメンズさんを批判しようと思えるのだろう。

(ラーメンズさんのコントは見たことがなかったので、ラーメンズさんの信者ではない。)


橋本聖子さんの〇〇強要の件も、政治家で一番に出てくる問題がこの程度なら、政治家としては清廉潔白な方だと一切問題視しなかった。

ラーメンズさんの件は言葉上だけの問題で、実際の行動は何も伴っていない。

実際の行動が伴った橋本聖子さんよりも軽い案件のはずだが??



追記)

ラーメンズさんに対し、菅総理が ”言語道断” とのコメントを出されたらしい。

菅さんは国会議員の中だと、直接には汚いことはしていない方の人間だとは思うが、

官房長官時代に、野党から提出を要求された書類を官僚が白昼堂々と処分し、その件に対して沈黙した。

前総理が、選挙区でパーティー資金の何割かを肩代わりしていたが、秘書がやりました!! で済ませ、そのことに対しても批判をしなかった。

菅さん本人が起こした問題でないとはいえ、とんでもない巨悪を堂々と黙認しておいて、ラーメンズさん程度の内容に強気に出るのはバランス感覚が崩壊している。

立場の弱い人間にだけは強気に叩くのでしょうか。


一部の関係者が経歴調査をするのは困難と言っているらしいが、ラーメンズさんの件よりも橋本聖子さんの件の方が内容的には悪いし、その方をトップに担ぎ上げておいて何を言っているんだ...